来る12/11(水)に全国発売となるGENNARIの1stアルバム「HELLO,Stranger」にてアートディレクション&デザインを担当しましたので、そのことについて少し。アートワークについての話です。

クレジット上では3月に出たシングル「星になれたら」と同じく、イラストレーターまめさんとタッグを組んでのアートワーク作業でした。

今回はギターボーカルのトオルさんにこれまでになくガッツリ関わって頂いたので、実際のところは3人チームで作り上げたものになります。

なぜ今回アートワークにまでトオルさんをガッツリ巻き込んだか。

音とビジュアルに一本ブレない芯を通したアルバムにしたかったし、その必要があると思ったからです。

前回までビジュアル面はいろいろ僕の裁量で決定するところが大きかったのですが、

今回はめちゃくちゃトオルさんとやり取りをして、逐一確認し合いながらアイデアを出し合いながら進めていきました。

なので、ブックレット全体の流れをイメージし、ページ割り等の草案を作ったのは実はトオルさんだったりします。

まめさんのイラストに対してもかなり密にやり取りをして、細かいところまで一緒に組み上げたようです。

これはとても大事なことで、僕だけまめさんだけでは絶対このビジュアルにはなりませんでした。

アートワーク作業をするにあたって、レコーディングした曲のデータは資料としてもらうわけですが、

僕が曲や詞を書いてるわけでもなく、レコーディングの様子も知らないし、もちろん演奏するわけでもないので、

僕の裁量でやると、どんなに考えを擦り合わせても「僕から見たGENNARIの曲、僕から見たGENNARIのアルバム」になってしまうわけです。

それが良いとか悪いとかの話ではなくて、ただ今回はそこを越えたかった。

僕の中の「僕から見た」を取っ払ってでも、ただ「GENNARIのアルバム」としての純度、深度を高めたかったのです。

たぶんそうでないと、音もビジュアルも含めた総合力のアルバムでないと、歩みを進めるものは作れない。

そのために、音もビジュアルも総合的に見渡し把握して舵を握る存在としてトオルさんが不可欠でした。

ナナシス（※）的な作り方をしたと言ってもいいかもしれません。ナナシスイズムここにあり。

これはたぶん僕だけですが、ナナシスのブレなさに本当に影響された制作でした。

ともあれ、ビジュアル的にも「GENNARIのアルバム」になったと思います。

僕達は間違いなく今までで一番チームだったし、今作は間違いなく今までで一番GENNARIです。

フルアルバムというボリュームもあり、トオルさんとしては前作までとは比べ物にならないほどエネルギーを要する制作だったと思います。

もうおじさんだし回復も遅いと思うので、ツアーが始まるまでにしっかり休んで英気を養っておいてください。

GENNARI/アラウンド（MV）

HELLO,Strangerのリードトラック。この曲のタイトルデザインも僕です。

このタイトルデザインから制作が始まりました。

アラウンドの歌詞に「ラインを越えて」というフレーズがあり、それを大きなテーマというか指針として、アルバム全体のアートワークも作っていきました。

ラインを越える、一歩足を出す。

正体不明の瞬間的突風に浮かされるのではなく、

正体不明の熱や炎に沸かされるのではなく、

自分の足で一歩でも前に進む。

少なくともアートワークチームはその思いを持って臨みました。

手に取る方にとっても、このアルバムがそういうモノになればとかなり本気で思っています。

今年に入ってから毎月近所の神社にお詣りをしに行っています。

神頼みをするというよりは、単純に意志弱太郎なので、月イチで思いを再確認するためです。

神様の前で再確認する内容は、

『僕の作るものが届くべき人に届くように頑張ります』

というようなことです。GENNARIの今作ももちろん同じく。

届くべき人に届いてほしい。決して「今いる人にだけ…」という消極的な感じではなくて、

全国リリースですし、ツアーもありますし、たくさんの未だ知らない「届くべき人」に出会えればいいなと思います。

誰かに届くかどうかなんてことは実際のところ分からないわけですが、だからこそMVも公開されましたし、観て聴いてほしいのです。

是非。何卒。宜しくお願いします。

追記:基本はまめさんとトオルさんがやり取りしてイラストを上げる→そこから僕がトオルさんとやり取りしながら組んでいく、という制作でしたが、ひとつだけ「この絵が欲しいです」と僕からまめさんにお願いして描いてもらったものがあります。どうしても必要だと思った絵でした。まめさん、ありがとうございました、最高です。

GENNARI/HELLO,Stranger タワレコ商品ページ

GENNARI WEB

まめ Twitter

※：ナナシス…iOS/Android用アプリゲーム「Tokyo 7th シスターズ」のことです。

現在の僕は、この作品なしには成り立ちません。