NOWHEREMAN は、現在準備中です。

2019/09/13 14:01

NOWHEREMANの吉田です。


先程完了したドネーションについて、事務的なお知らせではないところをつらつらと書いていきます。

まず事件のあった7月18日、TシャツのデザインをSNSにアップしました。
この時点ではまだドネーションをやろうとは1ミリも思っていません。ただ画像をアップするのみでした。
個人が寄付や支援をしようにも窓口がない状況だったので、どちらにしろ動けませんでしたしね。
で、明けて19日。アニメイトが全店に募金箱を設置することを知り、急いでドネーションを立ち上げました。
数年間やってきたことなので、流れややり方も分かっていたので受注生産の立ち上げは素早くできたわけですが、
とはいえ、昨日まで1ミリもやろうと思ってなかったのになぜやろうと思ったのか…
「やろうという決定的な自覚はなかった」というのが正しいかもしれません。なんか手が動いていました。迷いだけはありませんでした。
これに関しては本当にそうです。理屈じゃないかもしれないし、言語化して説明できないだけかもしれないですが。
じゃあなぜ手が動いたのか…それはなんとなく心当たりがあります。「音楽好きだから」「Tシャツだから」と「見てきたから」です。

現在は足繁く通う感じではないのですが、僕の地元高松にTOONICEというライブハウスがあります。
その場所では各地で災害などがあったときにフットワーク軽く支援活動やチャリティライブ等を行っています。
良い音楽だけでなく、そういったポジティブな人や思いが集まる場所、と僕の目には映っています。これは今でも。
きっとTOONICEが支援活動に特別熱心だとか、そういうことではないと思うんですが、
そういう場所があって、そういう場所であり続けていて、そこで起こる物事を見ていたことは大きいと思います。
個人でもやっていいんだなとか、やれるんだなとか、実際やってるのを見てると思ってしまうものです。
なのでTOONICEでの色々を見てきたからやれました、というのは間違いないです。

音楽好きだからというのはTOONICEの話にもちょっと繋がるかもですが、
パンクとかハードコアとかのシーンでは、こういうドネーションは割と普通に起こっているというのが僕の印象です。
直近だとIdol PunchジロウさんのドネーションTシャツ、ECDさんのドネーションTシャツがありますね。
そういう音楽が好きだからドネーションTシャツというやり方があるんだなぁと思えているし、
理屈でなくそういう動きがカッコイイなとも思ってしまうわけです。

Tシャツだからというのは、例えば、僕の原体験はゾゾタウン。
2003年のイラク戦争の際も2011年の東日本大震災の際も、ゾゾタウンがいち早くドネーションTシャツを制作していました。
イラク戦争のときは僕思春期のガキンチョでしたし、あれがドネーションなのかも分かんないですが、どちらも購入しました。
こういうときのメッセージTシャツにこそTシャツであることの価値や意義を感じますし、これも理屈抜きでイイものです。
そういえばゾゾタウンの前澤前社長もハードコアバンドの人ですし、だからドネーションTシャツという方法を選んでいたのかもしれないですね。

そういう色々が自分の中に元々あって、だから特に踏みとどまることもなくスタートさせられたのではないかと。
パンクシーンでやってることをアニメ文化のシーンにもってきても、変わらず成立するものだなと思いました。
人がいて、思いがあれば、それはもう一緒なんだよなというのが僕が辿り着いた考えです。


デザインについては、見て感じてもらったものが答えだと思いますが、
僕が悲しいとか、僕が容疑者に対して怒ってるとか、そういった「エゴ」のようなものを排して、
ただ祈りを形にしたものをと思って作りました。
だからなおのこと、見て感じてもらったものがあるならばそれが答えです。お好きに着てください。



先日京都に行く予定があったので、京都アニメーション京都第一スタジオに行ってきました。
写真は撮っていないのですが、この目で見たものは画面越しとは比べ物にならないほど強烈でした。
圧倒的に決定的に「失われた」ことを突き付けられたようでした。
他人に対して見に行け、見に行ったほうがいい、とか言うつもりはないです。
ただ、奪っても奪われてもいけないなと強く感じました。
プロアマ素人関係なく、クリエイティブが奪ったり奪われたりするものであってはいけないなと。
お互い、思うことや伝えたいことは各々形にしていきましょうね…いや、僕はそうしますね、に留めておきます。
奪わないよう、奪われないよう、奪わせないように今後とも。
ひと夏に渡ったドネーション企画、本当にありがとうございました。
いずれ新作が出る際も、ちょっと気にして頂ければ幸いです。